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名張毒ぶどう酒事件:弁護団報告と特別抗告補充書(1)の解説

名張毒ぶどう酒事件;弁護団報告と特別抗告補充書(1)の解説

平成24年12月25日、弁護団は、最高裁判所に対して、再審開始決定を取り消し再審請求を棄却したH24.5.25名古屋高裁決定(「原決定」)を打破する決定的な証拠5点及び特別抗告申立補充書3通を提出しました。その中心となる証拠は、新証拠3(毒物問題)に関する中立公正な第三者機関による試験報告書です。

奥西さんは、本年1月14日で87歳となりました。今も八王子医療刑務所の病床から無実を叫び続けています。

最高裁判所は、速やかに原決定を取り消し、検察官の異議申し立てを棄却して、再審開始決定を確定させるべきです。

 

原決定と上記試験報告書との関係を説明します。

詳細は、特別抗告申立補充書(1)をご参照ください。

 

原決定(全て推論)

試験報告書(実験)

 

①    

ペンタはエーテル抽出後も残存する。

ペンタはエーテル抽出後まで残存しない。

 

②    

トリピロはエーテル抽出されない。

トリピロはエーテル抽出される。

 

結論

三重県衛生研究所の試験で、対照検体から検出されたトリピロは、対照検体をエーテル抽出した後に残存したペンタが加水分解して生成されたもの。一方、事件検体は、試験にかけられるまでに時間が経っており、その間にペンタは加水分解してトリピロが生成されたが、トリピロはエーテル抽出されないので検出されなかっただけ。

従って、事件検体からトリピロが検出されなかったからといって、飲み残りのぶどう酒に混入された農薬が、ニッカリンTではないとは言えない。

エーテル抽出後までペンタが残存することはない。エーテル抽出前にペンタから生成したトリピロがエーテル抽出され、対照検体ではこれが検出された。

事件検体から、トリピロが検出されなかったのは、事件検体に混入された農薬が(トリピロを生成する)、ペンタを含まない三共テップなど、ニッカリンTとは異なる農薬であることを示している。

 

 

*事件検体 三重県衛生研究所で試験された飲み残りのぶどう酒のこと

*対照検体 三重県衛生研究所で比較対照用に作られたニッカリンTを混ぜたブドウ酒のこと

*ペンタ ペンタトリエチルホスフェート

ニッカリンTに含まれる不純物。ぶどう酒に混じると速やかに加水分解を起こしてトリピロに変化する。

*トリピロ トリエチルピロホスフェート

ペンタの加水分解物。対照検体からは検出されたが、事件検体からは検出されなかった。

 

名張毒ぶどう酒事件:特別抗告補充書(1)をご覧になるには下記のfileをクリックしてください。

特別抗告申立補充書(1)※マスキング処理済.pdf