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第7次再審請求最高裁決定についての弁護団声明(10.4.6)

最高裁判所第三小法廷は,昨日,いわゆる名張毒ぶどう酒事件第7次再審請求の特別抗告審について,2006年(平成18年)12月26日に名古屋高等裁判所刑事第2部が行った異議審決定・再審開始取消決定を取り消し,名古屋高裁に審理を差し戻す決定をおこなった。最高裁が,上記異議審決定の判断の誤りを指摘し,これを取り消したことは,再審無罪に向けた前進として評価できる。

上記最高裁決定は,弁護団が第7次請求で提出した5つの新証拠のうち,いわゆる新証拠3として提出した毒物問題について,未だ審理が尽くされていないということを理由に審理を名古屋高裁に差し戻したものである。

しかしながら,毒物問題は,第7次請求審及び異議審を通じて重大な争点と位置付けられ,この点に関して,二度にわたり2人の専門家証人の証人尋問も実施され,十分な審理が行われてきた。このような十分な事実調べの結果を受けて,原決定に,「科学的知見に基づく検討をしたとはいえず,その推論過程に誤りがある疑いがあ」ると判断したのであるから,最高裁としては,直ちに,原決定を取り消して,再審開始を宣言すべきであった。

本件の確定有罪判決に合理的疑いがあることはすでに明白であり,また,奥西勝氏が84歳を超える高齢であることからしても一日も早く再審公判を開始しなければならない。検察官の新たな主張は再審公判において審議されるべきものである。最高裁が再審開始を確定させることなく,審理を名古屋高裁に差し戻すにとどまったことは極めて遺憾である。

名古屋高裁は,差戻審において速やかに検察官の異議申立を棄却して再審を開始すべきである。

弁護団は,奥西勝氏の完全無罪判決に向けて,引き続き最善を尽くす所存である。

2010年(平成22年)4月6日

名張毒ぶどう酒事件弁護団 

団 長  鈴 木  泉