冤罪(誤判)防止コム >> 足利事件再審公判 >> -速報-足利事件:宇都宮地裁、必要な審理を行うと明言し、録音テープの開示を求める(9・4三者協議)

-速報-足利事件:宇都宮地裁、必要な審理を行うと明言し、録音テープの開示を求める(9・4三者協議)

1,足利事件の再審公判の帰趨を決める三者協議が9月4日宇都宮地裁で開かれ、裁判所、検察官2名、弁護人11名、菅家さんが出席しました。 裁判所は、三者協議の公開、日弁連職員の同席を拒否しましたが、再審裁判に向けての裁判所の「基本的スタンス」と「証拠調べについての考え」を明らかにしました。

2,      基本的スタンス

 裁判所は、「再審公判もその目的は国家刑罰権の存否や量刑の幅を決める刑事裁判に変わりはないから、誤判原因の解明をすることは裁判所の権能を逸脱すると考えるので基本的には行わない。しかしながら、再審公判は公判手続の更新に準じて職権で確定審の証拠を取り調べることになり、そのうち弁護人が一定の証拠について排除を求め、証拠能力を問題にしている実情に鑑み、その主張を検討するための証拠調べを行うことは必ずしも再審公判の趣旨に反するとは言い切れない。再審公判が被告人の名誉回復を目的としている特殊性からも証拠調べに入ることができると考える。」と述べました。

3,      証拠調べについての考え

 裁判所は、「いわゆる録音テープについては開示されるべきである。理由は、別件のテープではあるが、その時期等から考えて自白の信用性に影響を与える可能性を否定できないと考えるからである。これについては検察官の決断に賭けたいと考えるが、その対応いかんによっては裁判所としては今後、証拠開示の勧告や命令を下すことを考えている。自白の任意性についての取調べは、録音テープの開示を待った上で、弁護人がその吟味の上必要な限りにおいて改めて請求するものと考える。DNA鑑定(旧鑑定)についても、証拠能力に関しての証拠調べの必要性を明らかにして請求してもらえば、必ずしも採用するのに躊躇するものではない。」と述べました。

4,      今後の予定

 裁判所は、「本件では無罪であることについては当事者に争いがないと考えるので、早期の無罪確定の利益を考えると、公判は迅速に進行させるため速やかに審理を開始し、半年程度で終えることが相当であると考える。」と述べました。

(1)第1回公判は10月21日午前10時から全一日の期日で行い、冒頭手続、確定審での証拠の取調べ、証拠排除の申立、それに伴う証拠請求までを予定する。

(2)第2回公判は、鈴木廣一(大阪医科大学教授)鑑定人の尋問を実施することを予定するので、検察官において鑑定人の都合を聞いた上、連絡されたい。

5, これに先立つ9月3日、検察官は審理方法について、「確定審の証拠を取り調べるに際し、裁判所が科警研DNA鑑定関係の証拠と菅家さんの自白を取り調べないことに異議はない(規則213条の2第3号但し書後段)」という意見書を提出していました。証拠排除に伴う証拠調べさえ行わせないという立場を鮮明にしていたわけですが、裁判所が、これまでの消極的な態度を改め、半年スパンで一定の審理を実施することを明言したことは評価することができると考えられます。ただし、これまでの消極的な態度が再発しないとも限らず、今後とも注視が必要です。