死刑再審4事件の元弁護人が誤判を防ぐためのポイントをアピールにまとめました。
アピールの目的と経緯
今回のアピールは、死刑再審4事件の元弁護人32名による共同アピールです。
死刑再審4事件の再審裁判の無罪判決当時の元弁護人で、このアピール公表時点(2009年6月22日)で健在な方は32名です。その全員の賛成で、まとめたものです。
1 目的
このアピールは、死刑再審4事件の元弁護人が共有してきた、なぜ誤判が生じたのか、誤判防止のために何が必要か、という点をまとめ、広く国民の皆さま、裁判員になられる皆さまに、お伝えすることが目的です。そして、それが元弁護人の社会的責務であろうと考えております。
従って、このアピールは、誤判防止を目的としており、裁判員制度の是非を論じるものではありません。
そして、このアピールを広く国民の皆さま、裁判員になられる皆さまにお届けしたいと考えています。
2 経緯
死刑再審4事件の一覧表のとおり、各事件の元被告人は逮捕から無罪になるまで35年、34年、29年、35年を要しています。これは文字通り死刑執行の恐怖の日々です。誤判がいかに恐ろしいことか、どれほど酷い人権侵害かは多言を要しないでしょう。
私ども元弁護人は、再審事件弁護団で弁護人として活動しながら、再審事件に限らず誤判事件の誤判原因を調査してきました。
これは、『再審』(1977年)、『続再審』(1986年)、『誤判原因の実証的研究』(1998年)等にまとめて発表・公刊してきました。
私ども元弁護人は、この数十年間、「誤判があってはならない。」という考えと誤判原因についての認識を共有してきました。
2009年5月に裁判員裁判が施行され、8月には裁判員裁判の公判が行われることになります。
この機会に、誤判に対する私どもの考えをどんな方法でお伝えすることが良いのか、昨年秋からいろいろの方のご意見をお伺いしてきました。
具体的に動き出したのはこの5月初めからです。日弁連人権擁護委員会委員長経験者、再審事件元・現弁護人の方などに、今回のアピールの要点を示しご意見を求めました。
その要点の第1は、このアピールは裁判員制度の是非を論じるものではないこと、第2は、共通する誤判原因とその対策を分かりやすく裁判員に提示することです。
これに対して予想外の多くの方から、時宜に適しているとのご賛成と積極的な提案を戴きました。これらを集約する中で、時期的にも6月中にアピールを出すことが裁判員裁判の公判との関係上必要であること、具体的な事件から共通の誤判原因を整理し、これに基づき裁判員はどうあるべきかをアピールにまとめることが、分かりやすく説得力があるということになりました。
そこで、死刑再審4事件の誤判原因を整理し、元弁護人によるアピールとして発表することにしました。
誤判原因については、別途、死刑再審4事件一覧表と各事件の説明書(免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件)に整理しました。
約1ヶ月間、メールとFAXにより全国各地の弁護士からアピールについて、ご意見が多数寄せられました。これを集約して、さらにまたご意見を求めるということを繰り返し、6月18日に確定版ができあがりました。
このアピールは、このような経緯を経て、全国の多くの弁護士の意見を集約してできあがったものです。
3 このアピールを広めてください
私どもはこのアピールを、多くの国民の方々、裁判員になる方々のお手元に届けたいと、このサイトを作りました。ご覧になった方から、さらにその知り合いの方々へと広がることを願っています。
また弁護人の方は、弁護活動等において、是非活用してください。